蘑菇传媒

宇宙から育てられた青森のおいしいお米

2022年6月3日
话し手
  • 地方独立行政法人青森県产业技术センター
    農林総合研究所 スマート農業推進室 室長
  • 境谷 栄二

日本の食文化の中心であり、私たちの食生活を支えている米。昔と比べ、さまざまな作业が机械化されることで农作业の手间は减ってきたが、おいしい米を作るノウハウまではなかなか机械化できていない。そこで注目されているのが、宇宙を利用した米作りだ。人工卫星からの画像データを活用して、おいしい米作りのための情报を农家に提供している青森県产业技术センターの境谷栄二氏に、その取り组みについて伺ってみた。

适切な収穫タイミングや肥料の量がおいしい米を作る

青森米初となった、「特A」ランクの食味を取得したブランド米「青天の霹靂」は、2 015年に津軽地方からデビューした新品種。その誕生には、青森県産業技術センターが約10年の歳月を費やし、選抜?育成に関わってきた。「青天の霹靂」の品質維持に欠かせないのが、人工衛星からの画像データの活用だ。

(写真1)地方独立行政法人青森県产业技术センター 農林総合研究所 スマート農業推進室 室長 境谷栄二氏 イメージ
(写真1)地方独立行政法人青森県产业技术センター 農林総合研究所
スマート農業推進室 室長 境谷栄二氏

そもそも、おいしい米とはどのようにして作られるのか。そこには、米の生产管理が重要になると境谷氏は语る。主なポイントは、「适时に収穫すること」「适切な量の肥料を与えること」「水田を选ぶこと」の3つ。米は5月顷に田植えをして9月に収穫するが、适切な収穫时期を逃すと米粒が割れて食感が悪くなり味に影响を与える。

米のおいしさには、タンパク质の含有率も大きく影响する。タンパク质の含有率が低い米は粘りがあり、柔らかくておいしくなる。その含有率を决めるのが、肥料の量と水田の土壌だ。「米を栽培する际に肥料を多く与え过ぎると、タンパク质の含有率が高くなります。水田の土の性质によっても、タンパク质の含有率の高まりやすさに违いがでます」(境谷氏)。

(図1)おいしい米を作るポイントは3つ(出典:青森県产业技术センター) イメージ
(図1)おいしい米を作るポイントは3つ
(出典:青森県产业技术センター)

おいしい米を作るための适切な収穫时期と肥料の量、水田の土壌は、その年の天候や気温変化などの自然环境に依存しているため见极めが难しい。また农家は、高齢でリタイヤした、他の农家の水田も引き継ぐことが多い。そのため、农家当たりの栽培面积が年々増えていき、负担も大きくなっている。

そこで青森県产业技术センターでは、人工卫星から撮影した水田の画像データと滨颁罢システムを活用して、农家に対して水田1枚ごとにきめ细かい生产指导ができる仕组みを构筑した。

人工卫星の画像データを色で解析

青森県产业技术センターは、青森県の产业振兴?発展をめざし「工业」、「农业」、「水产」、「食品加工」の4部门からなる研究所を统合した研究机関だ。人工卫星の活用と农业の収穫支援を结びつけることで、まさに分野横断的な研究开発の取り组みを进めている。

(図2)青森県产业技术センターが水田ごとに情报をデータ化(出典:青森県产业技术センター) イメージ
(図2)青森県产业技术センターが水田ごとに情报をデータ化
(出典:青森県产业技术センター)

人工卫星からの画像はどのようにデータ化され、どのようにおいしい米作りに役立っているのだろうか。卫星画像からデータ化しているのは、水田の色の情报だ。例えば、収穫时期は稲の色を见れば判定できる。「8月上旬の穂が出る时期は稲がまだ緑色ですが、9月中旬から下旬の収穫时期にかけて黄金色に変化していきます。その変化と、日々の気温のデータをもとに、もっとも収穫に适した日を割り出します」(境谷氏)。

肥料の使用量の调整に利用されるのが、稲の色から推定されるタンパク质の含有率と稲の大きさだ。「タンパク质が高くなりやすい稲ほど緑色が浓くなり、稲の大きさは近赤外线の反射の大小によって判断できます。また、土壌の状态は、田植直后の土の色の浓さによって判断します。これらのデータをもとに、その水田に适切な肥料の量を决めます」(境谷氏)。

(図3)収穫时期やタンパク质の含有量、稲の大きさ、土壌の状态を卫星画像から解析する(出典:青森県产业技术センター) イメージ
(図3)収穫时期やタンパク质の含有量、稲の大きさ、土壌の状态を卫星画像から解析する
(出典:青森県产业技术センター)

水田の状况を空から観测するだけなら、セスナやドローンを利用する方法もある。水田の状况把握に、人工卫星からの画像データを利用するメリットはどこにあるのか。例えば、セスナでは1回の飞行で撮影できる范囲は

人工卫星の画像データを色で解析 イメージ

100平方キロメートルくらいだし、ドローンならばその范囲はさらに狭くなる。したがって、「青天の霹靂」を栽培している3,000平方キロメートルのエリア内の水田の状态を全て把握するには何度も飞行する必要があり、その都度コストがかさんでいく。「人工卫星ならば、それくらいの面积ならば一度で十分撮影できるので、コストも时间も大きく节约できるのです」(境谷氏)。

(写真2) 田植え后の水田の様子 イメージ
(写真2) 田植え后の水田の様子

农家への指导に利用される滨颁罢システム「青天ナビ」

青森県产业技术センターでは、津軽地域の13市町村を含む3,000平方キロメートルを撮影した卫星画像を购入し、稲穂や土壌の色の変化をデータ化した情报を分析。その结果をもとに指导员が、「青天の霹靂」を栽培している约8,000枚の水田1つ1つについて、収穫日や稲に与える肥料の量(施肥量)を农家に伝えている。そこには、2019年に独自开発した滨颁罢システム「青天ナビ」が利用されている。

(図4)农家が直接情报を见て収穫日や施肥量を决められる「青天ナビ」(出典:青森県产业技术センター) イメージ
(図4)农家が直接情报を见て収穫日や施肥量を决められる「青天ナビ」
(出典:青森県产业技术センター)

ところが、コロナ祸によって、それまで対面で行っていた指导员による农家の指导が制限されるようになった。この先、さらにこの状况が続いても、おいしい米を作るための农家への指导を欠かせるわけにはいかない。一方で、最近では兼业农家の割合が増加し、平日は别の仕事をしているので指导を受ける时间がとれないことも増えてきた。

そこで、青森県产业技术センターでは2020年から、农家が直接スマートフォンやパソコンから「青天ナビ」を利用できるようにした。「农家は指导员が来なくても、画面に表示される地図やグラフを使ったアドバイスを见て、自分で収穫日や施肥量を决められるようになりました」(境谷氏)。

セルフレジのようなシステムで农家の负担を軽くする

こうした指导によって、「青天の霹靂」の食味ランキングはデビューから7年连続「特础」ランクを获得している。またブランド力も向上しており、1俵当たりの単価が15,100円と、同じ地域で作っている品种「まっしぐら」の8,000円と比べ大きく上回っている。「収穫量に関しては、青天ナビの导入前と比べて10补(1,000平方メートル)当たり1.2俵アップしています。こうした効果によって、地域の农家に対する経済効果は11亿円になりました」(境谷氏)。

青森県产业技术センターでは、「青天ナビ」の活用が农家の人手不足の解消にも繋がり、働き方改革にも贡献できると考えているようだ。今后指导员が农家に行う指导形态について、境谷氏は「スーパーにあるセルフレジのようなイメージ」と例える。「自分で青天ナビを活用することが基本ですが、すべてをセルフでやるのではなく、わからないことがあれば指导员が电话で教えてくれるのです。农家は好きな时にナビを确认できるし、指导员は多くの农家をサポートできます。」(境谷氏)。

(図5)青天ナビのデータ利用体制(出典:青森県产业技术センター) イメージ
(図5)青天ナビのデータ利用体制
(出典:青森県产业技术センター)

人工卫星を利用した米作りの展望について、境谷氏は「将来は人工卫星の画像データが、稲の生育モニターにも利用できるかもしれません。また、卫星画像の入手コストが下がれば、现在の5~6メートルの解像度のものから、もっと细かい2メートルくらいの解像度の画像を利用して、さらに细かい指导が可能になるかもしれません」と语る。それには、今よりも卫星画像の枚数が増え、1枚当たりのデータ容量も大きくなるだろう。そのためには、データ通信のインフラ整备も重要なテーマになってくるかもしれない。

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