ロボット产业の集积化を支える福岛ロボットテストフィールドとは
- 福岛ロボットテストフィールド
- 副所长
- 若井 洋
福島県南相馬市にある「福岛ロボットテストフィールド(RTF)」は、陸?海?空で使用することを想定したフィールドロボットの一大開発実証拠点だ。南相馬市復興工業団地内の東西約1,000m、南北約500m、50ヘクタールの広大な敷地内には、「無人航空機エリア」、「インフラ点検?災害対応エリア」、「水中?水上ロボットエリア」、「開発基盤エリア」が整備されている。

福岛ロボットテストフィールドの施設全景
この施设は、东日本大震灾および福岛第一原発の事故によって失われた浜通り地域产业を回復するため、新たな产业基盘の构筑を目指す国家プロジェクトである「福岛イノベーション?コースト构想」に基づき、2020年3月末に开所した。
福岛イノベーション?コースト构想とは、浜通りの产业を復兴させるため、新たな产业基盘の构筑を目指す国家プロジェクトだ。廃炉、ロボット?ドローン、农林水产、エネルギー、环境?リサイクル、航空宇宙の各分野におけるプロジェクトを进めるともに、产业集积や人材育成、交流人口の拡大に取り组んでいる。
現在では、福島イノベーション?コースト構想全体で、浜通り地域の15市町村に400社以上が新たに進出しており、ロボット産業の集積化が進んでいる。この産業振興に貢献しているのが、福岛ロボットテストフィールドだ。そこで、副所长である若井 洋(わかい ひろし)氏に同所の取り組みについて聞いた。

福岛ロボットテストフィールド 副所长 若井 洋氏
──福岛ロボットテストフィールドの開設の経緯を教えてください。
若井氏:2011年の东日本大震灾によって、福岛県は、福岛第一原発の事故、震灾?津波によって、浜通りの太平洋岸产业が大きなダメージを受けました。避难区域になってしまったということもあり、产业そのものが停止するような非常に大きなダメージです。そこから、产业?経済を復兴させるために、新たな次世代产业をこの地域で兴していこうということで、ベンチャーを含め、公司や大学の研究开発、事业化を后押しするため、ロボット、ドローンなどの次世代产业の実験场、実証フィールドを提供する场所として开设されました。国の予算で作られた施设ですが、资产としては福岛県の施设で、福岛イノベーション?コースト构想推进机构が施设の维持运営、管理を委託されています。
──この施设の利用状况を教えてください。
若井氏:施设にお越しいただいて、フィールドの设备分析や计测设备などを利用いただくケースがメインになっています。施设の半日利用を1件と数えると、昨年度は5100件の利用があり、延べ12万人の方が利用しています。
また、贷し研究室も20室提供し、常驻して研究する事业者や大学研究机関もあり、现在、18団体が利用しています。
──この施设の特徴は、何でしょうか?
若井氏:设立の段阶からロボット、ドローン、空飞ぶ车の社会実装を想定し、研究开発から実証フィールドまで、ワンストップで提供している点が大きな特徴になっています。
研究室のほか、电波室、3顿プリンタなどの加工机、振动试験机のような设备もあり、屋外には飞行环境や市街地を模した実証フィールド、トンネル、桥梁、大规模な灾害现场を模したフィールドもあります。このように、开発から実証环境までトータルで提供しています。

电波暗室
また、研究开発をサポートするため、福岛県ハイテクプラザ南相马技术支援センターのスタッフや技术者が同居しており、技术サポートをしっかり受けられるところも大きな特徴だと思います。
例えば、ベンチャー企業やスタートアップの中には、実験設備や試験装置を使い慣れていない方もたくさんいらっしゃいます。そのため、装置をどう使ったら良いのか、どのようにデータを取ったら良いのかといった技術サポートを充実させているところは、他にはない福岛ロボットテストフィールドの特徴だと思います。
さらに、南相马市と各公司が连携协定を结んだり、この施设に居を构えれば県や市の补助金を利用できるところも大きな魅力になっています。
──ドローンの开発が、施设利用の中心的なものになるのでしょうか?
若井氏:2020年の3月に開所して、現在5年目に入りましたが、延べ65%がドローンの開発や実証での利用になります。次に多いのが陸上用ロボットで、その次が水中用ドローンと、空飛ぶ車です。利用比率では、圧倒的にドローンが多くなっています。それというのも、ドローンは航空法という厳格な法律のもとで運用されていますので、実験場所がかなり限られています。この福岛ロボットテストフィールドは、敷地が広々としているだけではなく、施設の一部が航空法適用外となっています。そのため、開発段階の利用者にとっては利用方法が非常に簡素で、緩衝ネット付飛行場内であれば航空法のための飛行申請をしなくても利用ができ、さらに設備が充実していることがドローンの利用が圧倒的に多くなっている理由だと思います。
──インフラ点検向けのロボットの研究もされていると闻いていますが。
若井氏:インフラ点検向けでは、ドローンを利用したインフラ点検が一番多いと思います。プラント整备では、メンテナンスのために各种のメーターを読み込みますが、ここではトンネルのひび割れに似た状态が再现されているので、それらをドローンを利用して视察し、メンテナンスが必要かどうか判断するといった利用が多くなっています。
その次に多いのは、地上型ロボットです。地上を走行して利用するというインフラ点検用のロボットもあります。
──研究开発においては、研究者同士の横のつながりも重要だと思いますが、何か工夫している点はありますか?
若井氏:我々には、活动分野のひとつに、研究开発?実証环境の提供があり、これがメインとなります。また、2つ目に事业者同士の连携を図ることや、地域基盘の构筑があります。目的は、产业復兴ですので、福岛県の浜通りの地元サプライチェーンと、福岛へ进出してくださったロボットやドローン関连公司、空飞ぶ车に携わる公司を结びつけ、取引につなげていくというのも我々の重要なミッションです。
そのため、南相马市では、ロボット产业协议会や、県のロボット产业推进协议会といった各种事业団体、协议会の団体と、我々の施设への进出公司との交流の场も提供しています。例えば、ロボテスフェスタという、毎年秋に开催しているフェスタがありますが、展示会的な位置づけで交流を図ったり、カンファレンスルームを使ったセミナーを开催するなど、交流の场所を提供しています。

降雨?雾雨试験装置
──福岛ロボットテストフィールドのこれまでの成果としては、どういったものがあるのでしょうか?
若井氏:事业者向けでは、スタートアップの方がロボットやドローンの基础的な研究段阶を経て、実际に事业化したり、サービス现场で活用されるようになるなど、成果は多々あります。
非常に大型の重机のような机能と、精密な操作性の両方を兼ね备えたロボットを开発している事业者も、今年から製造现场やメンテンナンス现场でロボットが活用されるところまで実现しました。
また、ドローンであれば国交省の定める型式认証の试験环境を活用して、型式认証取得につなげています。
──こちらの施设では、人材育成も行われていますが、具体的にどういった取り组みをされていますか?
若井氏:人材育成では、地域の子供たちに対してロボットのプログラミング教育を行っています。年间400~500人、累计では约2000人の地域の小中学校生を対象に、福岛県で开発された教育用ロボットを使って、実际にプログラミングを行いロボットを动かすという教育を行っています。非常に好评をいただいており、毎年新入生を迎えて新たに教育を行ったり、学校侧のロボット购入にもつながっています。
また、我々が讲师となって、地域の小中学校に出向き、ドローンが飞行するための原理を分かりやすく讲义する出张授业も、年间相当数実施しています。
──利用の65%はドローンということですが、今后注力する领域はあるのでしょうか?
若井氏:この2年ほどは、宇宙関係のスタートアップの进出が非常に多くなっています。例えば、インターステラテクノロジズであったり、础蝉迟谤辞齿など、特に打ち上げ関连の民间事业者の进出が相次いでいます。
──宇宙関係の事业者の进出が増えた理由は何でしょうか?
若井氏:ひとつは、市が工业団地やインキュベーションセンターに诱致をしているということがあります。加えて、ロボットテストフィールドが非常に大规模で、厳しい振动や热の环境试験などを行う设备が充実しており、しかも低価格で利用しやすいということも大きな理由だと思っています。

振动试験机
──福岛県は水素の研究など、新しいテクノロジーに対して积极的だと思いますが、実际にそういった面を感じますか?
若井氏:街中に水素自动车のステーションがあるなど、身近なところに新しい再生可能エネルギーやグリーンエネルギーの存在を感じられます。そういった次世代の产业やエネルギーが比较的身近な场所であると思います。
ロボットテストフィールドや南相马市を中心に、浜通りには80社を超えるロボット、ロケット、空飞ぶクルマといった先进的なロジスティクスに関连する事业者が、研究所や営业所を构えています。そういった新しいことにチャレンジするプレイヤーの方が多く集まっているということも、日常的に実感できると思います。
──福岛第一原発の廃炉もあり、廃炉产业も进んでいるのでしょうか?
若井氏:福岛第一原発の廃炉にあたっては、さまざまな技术开発がなされています。技术开発を行いながら廃炉を进めていくというのは、非常に困难な道のりであり、技术的に大きなチャレンジをしながら进めているのが现状です。その中から、宇宙であったり、ロボティクスにスピンオフする技术も多々あります。例えば、廃炉というのは、人间が入り込めない环境でロボットやセンサーが活动するということですので、高放射线下で耐えられるようなコンピューターのチップであったり、颁颁顿カメラのようなものが必要になります。
それらは宇宙开発にも直接影响していて、人工卫星といった宇宙で使用されているものにおいては、人间の代わりにロボティクスが活跃するわけです。宇宙では、太阳からの直接的な放射线に耐えながら、安定的に性能を発挥することが求められます。そういった点で、廃炉の技术というのは、そのままロボットやドローン、宇宙开発にもつながる亲和性の高い技术だと思います。
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