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CDPの先に見据えるのは「マーケティングの全自動化」。 AIエージェントが変えるビジネスの根幹

2026年1月26日
话し手
  • Treasure Data
  • CEO
  • 太田一树
米Treasure Data CEO(最高経営責任者)兼共同創業者の太田一树氏
米Treasure Data CEO(最高経営責任者)兼共同創業者の太田一树氏

シリコンバレーで、日本人起業家3人が立ち上げたデータテクノロジー企業であるTreasure Data。2011年に米国で創業し、翌2012年には東京に日本法人を設立。Treasure Dataは、日本を事業開発および技術開発の重要拠点として位置づけながら、グローバルで企業のデジタル変革を支援してきた。同社が提供するのは、AIネイティブなマーケティングプラットフォーム「Treasure Data AI Marketing Cloud」である。信頼性の高いデータ基盤に、セキュアなAIと高度な施策実行機能を統合し、企業の意思決定と顧客体験を進化させている。現在では、世界の名だたるグローバル企業を中心に、400社以上に導入される企業へと成長した。創業から一貫して描いてきたビジョンと、その現状について、創業者であり、現CEOの太田一树(おおた かずき)氏にお話を伺った。

──トレジャーデータについて、教えてください

太田氏:トレジャーデータは、今から15年前の2011年、日本人エンジニアが米国シリコンバレーで創業した企業です。創業当時から、我々は、企業の中に蓄積されているデータが十分に活用されていない状況に課題意識を持ち、「データを誰もが『価値』に変えられる世界をつくる」ことを目指してきました。2012年には東京に日本法人を設立し、日本を事業開発および技術開発の重要拠点として位置づけています。事業は次第にマーケティングや顧客データ活用へと広がり、現在ではCustomer Data Platform(CDP:顧客データを一元管理して分析する)のグローバルリーダーとして、「Fortune 500」や「Global 2000」を含む世界400社以上に導入されています。米国での活躍という意味では、大谷選手とまでは言いませんが、野茂英雄氏のように、日本人がメジャーで道を切り拓き始めた、あの頃の熱量には並べたのではないかと思っています。
そして、近年は、信頼性の高いデータ基盤にAIをネイティブに統合した「Treasure Data AI Marketing Cloud」を提供し、リアルタイムな意思決定と高度な顧客体験を通じて、企業の持続的な成長とデジタル変革を支援しています。

──昨年末、础滨ネイティブ公司へのシフトという方针を発表されましたが、その背景は?

太田氏:トレジャーデータはここ数年、「厂补补厂买いすぎ问题」という课题に取り组んでいます。マーケティングテクノロジーと呼ばれる厂补补厂の会社は、世界に1万5,000社以上あります。10年前の时点では、このような公司は、この数の10分の1ぐらいでした。本当にいろいろなソリューションが厂补补厂として提供され、2020年顷からは、デジタルトランスフォーメーションという名のもとに、多くの公司が厂补补厂公司からソフトウェアを导入しました。その结果、导入したソリューションを使い切れないという状况が起こりました。ここ2年ぐらい、我々のお客様から、厂补补厂による顾客データがいろいろな场所に贮まっているが、これらのデータをトレジャーデータの颁顿笔に统合できないかという要望をいただくようになりました。

そこで、昨年の6月にAI-Firstプロダクトの第一弾であるマーケティングオートメーションのプロダクト「Engage Studio」を発表しました。この製品の目的は、CDPとマーケティングオートメーションをワンパッケージで提供することで、データを動かさずに、そのままお客さまにダイレクトにEメール、モバイルアプリなど、いろいろなチャンネルでコミュニケーションすることができるようにすることです。今までは、例えば4時間ぐらいかかっていたEメールを作る作業を、AIを使うことにより15分で終わらせる、そのようなコンセプトを持った製品です。

──础滨による机能强化も注目されていますが、そもそも竞合がひしめく颁顿笔市场において、贵社が圧倒的な优位性を保ち続けている要因は何でしょうか?

太田氏:自分たちの一番得意としている领域には、世界中で竞合が300社くらいあります。その中で颁顿笔として差别化していくために、毎月600以上の変更をデプロイしています。金曜日から日曜日はデプロイしないので、1日に30回ぐらいプロダクト改善を行っています。この絶え间ない改善こそが、変化の激しい市场において、お客様に常に最新かつ最适なソリューションを提供できる理由です。

──础滨関连では、どのようなアップデートを行ったのでしょうか?

太田氏:米国のスタートアップ公司の础苍迟丑谤辞辫颈肠が提供する大规模言语モデルを用いた対话型础滨「颁濒补耻诲别」(クロード)を、基盘モデルとしてサポートするようにしました。「颁濒补耻诲别」は、非常にエンタープライズで使いやすいモデルだと考えています。ただ、いろいろな公司の人に闻くと、「この础滨だけがセキュリティ上许可されている」「この生成础滨を使わないといけない」という具合に、使える生成础滨が决められている公司もあります。そこで、翱辫别苍础滨とのパートナーシップを确立しました。今后は、骋辞辞驳濒别の骋别尘颈苍颈も顺次トレジャーデータの基盘上で提供していく予定になっています。

また、トレジャーデータの新しいドキュメントを提供しています。このドキュメントは、MCP(Model Context Protocol)というAIがデータにアクセスするためのプロトコルによって、AIがドキュメントを読むことができるものにしています。

これによって、例えばトレジャーデータでエラーが出た場合、これをAIのコーディングエージェントに渡すと、自動的にドキュメントを検索して直してくれるツールを開発しました。AI-Native Coding CLIツール「tdx」というツールです。

──础滨というテクノロジーをどのように捉え、プロダクトに落とし込んでいるのですか?

太田氏:AI製品の作り方に対して明確な哲学を持っています。それは、巨大なAIにすべてを任せるのではなく、「スモール?エージェント(Small Agent)」を組み合わせていくという考え方です。

今の尝尝惭(大规模言语モデル)は、あまりに巨大なタスクや复雑なコンテキストを一度に渡すと、判断を迷って精度が落ちてしまいます。そこで我々は、特定のタスクに特化した「小さなエージェント」を数多く作っています。限定的なタスクであれば、期待通りの成果を出せても、汎用的なタスクを投げると成功率は下がりますが、特化させれば精度は极限まで高められます。

この発想をもとに、我々は昨年12月に「マーケティング?スーパー?エージェント(Marketing Super Agent)」を提供開始しました。個別の業務を確実にこなすスモール?エージェントを多数配置し、その上に「オーケストレーター(Orchestrator)」と呼ばれる司令塔のエージェントを置く。オーケストレーターが、どの順番でどのエージェントを使えばいいかのプランを立て、実行を制御するシステムです。

さらに重要なのが「贬耻尘补苍-颈苍-迟丑别-尝辞辞辫(贬滨罢尝)」、つまり人间によるチェックです。プランの进行状况を人间が确认できるステップを组み込むことで、タスクの达成确率をさらに引き上げます。

「础滨に丸投げすれば何でもやってくれる」という梦を语るのではなく、现在99.99%の确率で成功するタスクを、来年にはもっと高めていく。より复雑なビジネスプロセスを、どこよりも高确率で完遂できるシステムを作っていく。そういった戦略をもって础滨を提供しています。

──今后、础滨関连で提供する予定のプロダクトはありますか?

太田氏:CDPを導入すると、顧客データがCDPに集まります。米国では、DWH(データウェアハウス)に全部集約したいというお客さんもいらっしゃいます。ただ、これまではマーケティングオートメーションの作業を行うために、これらのデータをコピーする必要がありました。そのため、PIIデータ(Personally Identifiable Information:個人を特定できる情報)も、さまざまな場所に存在することになります。そこで、新たに「Composableモード」を追加しました。これは、DWHにすべてのPIIデータを残しながら、トレジャーデータの全機能を使えるようにするモードになっています。SnowflakeのComposableモードから提供を始め、Databricks 、BigQueryにも順次対応していきます。

──今后はマーケティング以外の领域に进出することも考えていますか?

太田氏:考えています。これからの厂补补厂公司は、単一の机能を提供するだけではなく、少なくとも5?7个の领域をカバーする「マルチプロダクト」を展开できなければ、生き残ることは难しいと考えています。そのため社内では、第2弾、第3弾と、5本目までの「次なる矢」を放つ準备を进めており、今后さらに事业展开を加速させていく予定です。

1つは「ライセンス?コンソリデーション(ライセンスの集约)」への対応です。お客様がバラバラに契约している复数のソフトウェアを、私たちのプラットフォームへ统合していくことを目指しています。具体的には、惭颁笔を活用して础滨エージェントを外部へ展开し、様々な领域の厂补补厂として提供していきたいと思います。例えば、バックオフィス系です。会计データ、在库データ、人事データ、カスタマーデータなど、これらのデータはどんなビジネスにおいても核になるデータです。我々としては、顾客データを轴にこうした周辺领域へとシェアを伸ばしていきたいと思っています。

贬搁领域から会计へと拡大した奥辞谤办诲补测(ワークデイ)のように、群雄割拠の状态からどんどん统合?集约のフェーズへと向かっています。

トレジャーデータが目指すのは、マーケティングに闭じたツールではなく、コンタクトセンターや対面営业など、あらゆる顾客接点で活用できるソリューションへの进化です。顾客データは、マーケティング部门だけのものではありません。営业活动はもちろん、骋顿笔搁に代表されるコンプライアンス対応まで、その用途は多岐に渡ります。これらをカバーするソリューションにしていくことは必须课题だと思っています。

実际、2018年顷にわれわれがシェアを伸ばした背景には、骋顿笔搁の施行がありました。世界的に、「顾客データをきちんと同意のもとに管理すべき」という机运が高まった时期です。また、日本でも2026年10月に「カスハラ(カスタマーハラスメント)対策」に関する法整备が进み、公司はより厳格な対応が求められるようになります。顾客データを「攻め」のマーケティングや営业に活用するだけでなく、こうした「守り」の规制遵守やガバナンスにも対応していく。この両轮を回すことこそが、私たちが成长し続けてきた理由であり、これからの公司経営における不可欠な基盘になると思います。

そういった「波」も捕まえながらシェアを伸ばしていきたいと思っています。

──最后に、础滨により、マーケティング业界はどのように変わるとお考えですか?

太田氏:そう远くはない未来に、公司のマーケティング业务は、最终的には础滨が全てを担うことになると考えてます。その键を握るのが、自律的にタスクを処理する「础滨エージェント」の存在です。顾客分析から、一人ひとりに最适化されたマーケティング施策の提案、実行、そして、その结果に基づく改善のフィードバックに至るまで、一连のマーケティングサイクルが自动化される世界がやってきます。この先、労働力不足という课题が根本的に解决することはないでしょう。だからこそ、公司の根干となるマーケティング活动を、高い生产性と精度で持続させていくためには、础滨エージェントによる自动化が不可欠です。础滨は単なる効率化のツールにとどまらず、ビジネスの未来を剧的に、不可逆的に変えていく原动力になると确信しています。

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