蘑菇传媒

これからは谁もがデジタル社会の主役になる

2025年6月9日
话し手
  • 东京大学 大学院工学系研究科电気系工学専攻
  • 教授
  • 森川 博之

日本においても、大企業から中小企業までさまざまな会社で、デジタルを取り入れた業務効率化が進み始めている。そして、DX(デジタル?トランスフォーメーション)は私たちの日常生活においても、いろいろな課題解決の場面で起こりつつある。そうした中、人はどう変わっていくのか、デジタル人材をどう育てていけば良いのかなどについて、デジタルテクノロジーのエキスパートである東京大学 大学院工学系研究科教授の森川博之(もりかわ ひろゆき)氏にお話しを伺った。

東京大学 大学院工学系研究科教授 森川博之氏
東京大学 大学院工学系研究科教授 森川博之氏

すべての人がデジタル社会の主役に

──最近は色々な分野でデジタルが导入され始めていますが、私たちの身近な所でデジタルが活用されている事例を教えてください。

森川氏:例えば、古纸の回収に、デジタルを活用している事例があります。回収箱に重量センサーと通信デバイス、厂滨惭カードを组み込み、リアルタイムでデータ送信することで、资源を适切なタイミングで回収できるようになるのです。これによって、定期巡回に比べて回収コストが削减されるのですが、そこまでならよくある滨辞罢システムの活用で终わっていたでしょう。

そこに、スーパーマーケットというステークホルダーが取り込まれている事例が、四国にあります。スーパーの驻车场に滨辞罢の古纸回収ボックスを设置しているのですが、买い物客などが古纸を入れると、重量に応じてそのスーパーで使えるポイントがもらえます。ポイントは、古纸回収事业者が定期巡回を无くしたことで削减されたコストの一部をフィードバックしており、利用者とスーパー、古纸回収事业者の叁者がウィンウィンの関係を筑いています。

これは立派なイノベーションだと思っています。仕组み自体は简単で、滨辞罢を活用するという技术主导ではなく、どうすれば利用者が増えるか、本当に使えるものになるのかを考えた结果、ポイント取得という付加価値が考えられました。店舗业务と古纸回収の流れなどを把握している现场の人が、デジタルを知って初めて思い付いた成果と言えるでしょう。

──そこに、デジタルの本质があるということですね。

森川氏:重要なのは、デジタルって皆さんが主役だということです。一人一人が、ちょっとした身の周りのことに気がつくと、そこから、「これはこうしたらよいのでないか」となっていく。そもそも、デジタルをテクノロジーから考えてしまうことが问题なのです。この技术はどこに使えるのかとか、技术を知らないとデジタルができないと思ってしまう。しかし、テクノロジーとは结局はツールなので、必要だったら使えばよいと考えています。

「これは问题だよね」「こうした方がよいのではないか」というのがあって、そこにデジタルが使えたと考えていただくのがよいと思っています。一方で、自治体や経済同友会などに呼ばれて讲演をすると、「デジタルについてどれくらい勉强すればよいですか」という质问をよく受けます。その时には「1时间あれば十分ですよ」と答えています。そのくらいの时间の中で、色々な技术が何のためにあるのか、どう利用すればよいのかということだけを学べばよいでしょう。

もともと、デジタル人材という言叶がよくないと思っていて、深层学习の勉强をしたとか统计学のバックグラウンドがあるとか、そういう人たちを思い浮かべてしまう。そうすると、「私たちには関係无いね」となるでしょう。そうではなく、私たち全员がデジタル社会の主役になり、技术的なことは必要に応じて専门家に闻けばよいのです。

パーツを组み合わせることで価値が生まれる

──デジタルの使い方だけが分かれば、自分たちで考えて别の価値が生まれてくることもありますね。

森川氏:森川 そういった価値はコンピューターゲームの「テトリス」のように、パーツをくるくると回転させてくっつける所から生まれると思っています。そのような考え方は、昭和の時代にはありませんでした。なぜかというと、昭和の時代は技術の性能がまだまだ低く、性能を上げていくだけで価値が生まれたのです。よい技術を作ればそれがビジネスになるので、何も考えることもなかった。しかし、諸先輩方のたゆまぬ努力により、ある程度の性能は得られるようになりました。技術だけで「売り込む」ことは従来に比べて難しくなっています。 だから、テトリスのように技術というパーツを組み合わせる時代になった。GAFAMにしても、例えばマイクロソフトはOpen AIと組んでオフィスアプリとAIを組み合わせたし、AndroidやiPhoneなどのスマートフォンもほとんどの技術を外から持ってきて組み合わせ、大きな価値を生み出しています。

──パーツの性能はどんどん上がっていったのに、日本人は组み合わせることが苦手なのですね。

森川氏:そうです。そこが、昔と今とで大きく変わりました。それは、経済が无形资产化しているからです。昔は机械など目に见える有形资产が重要だったので、例えば、工场に最先端装置を入れたりすると、その工场でしか使えないので独り占めできました。それが、知的财产などの无形资产になると模倣できるので、世界中で真似ができてしまいます。

この30年くらいで、このような无形资产型の経済にシフトしてきたことが、大きな影响を与えています。だからこそ、全世界から资产を目利きして、よいものがあったらテトリスのように组み合わせて価値を创造する社会になってきたと感じています。

人と人を组み合わせることからも新しい価値が生まれるのですが、どうやって组み合わせるかが难しい。例えば、アメリカの元トップセールスマンの着书で、20ヵ国以上で翻訳されているベストセラー『あたえる人があたえられる』では、「ビジネスで成功するためには、まず与えなさい」と书かれています。一绪にやるということは双方にメリットがあるということなので、こちらから先に価値を与えると、そのパーツが回転してくっついてくるのです。

无駄を省いてきたことが逆効果になった

──私たちの身近にも、组み合わせで新しい価値が生まれそうなものはありますか。

森川氏:色々と考えられます。例えば、皆さんの家に设置されているスマートメーターは、全国に约8000万台あります。これは立派なビッグデータであり、自治体は灾害が起きた时に、その家にまだ人が取り残されているのかどうかを、スマートメーターのデータから知ることができます。このデータを民间公司も使えるようになったら、色々なビジネスが生まれるでしょう。

例えば最初に思いつくのは高齢者の见守りですが、谁がお金を払うのかが见えてきません。そこで、中部电力ミライズコネクトが、家赁债务保障サービスと组み合わせることを提案しました。その背景には、高齢者への赁贷物件の贷し渋りがあります。高齢者が孤独死して発见が1ヵ月遅れると、事故物件になって価値が下がります。そこで、赁贷物件に设置されたスマートメーターから电力消费データを取得し、入居者の电気の使用状况に异変を検知した际には、本人や家族、不动产管理会社などに安否确认を行うというサービスです。高齢者がこのサービスに入れば、赁贷物件が借りやすくなるのです。

──そういうことに気づける人は、どうすれば出てくるのでしょうか。

森川氏:重要なことは、多様性を持った人たちが集まることです。多様性にも性别や年齢、国籍などが异なるデモグラフィ型ダイバーシティと、バックグラウンドが违う人が集まるタスク型ダイバーシティがあり、后者を积极的に进める必要があります。例えば、技术者の中に主妇や高齢者が加わって议论するのです。とはいえ、居心地がよい仲良しグループになるのではなく、各人の个性が违ってまとまりにくいけれど、そこから新しい気づきの种が生まれてくる场所になるとよいでしょう。

ところが、日本はこの20年间くらいでそういう无駄をそぎ落としてきました。これがよくないと思っていて、特に技术者には交际费を使うという概念がありません。「そんなお金があったら、开発费に回してくれ」となります。そこで、会社として积极的に技术者に交际费を与え、外に出ることが好きな人にはどんどん人に会ってもらう。そして、「谁々と会ってこのような议论をした」ということを报告させればよい。

──そういった取り组みから成果を得るには、どういうことが重要になるでしょうか。

森川氏:私は、プロジェクトの进捗状况などを定量的に评価?分析する指标となる、碍笔滨は意味がないと思っていました。ですが、これだったらよいと思ったのが、碍笔滨を频繁に変えることです。どんな新规プロジェクトでも、通常は1、2ヵ月くらいやれば何らかの気づきがあるでしょう。その时点でどんどん碍笔滨を変えていく。それで上手く回るようになればよいし、駄目だったらなぜ失败したのかを全社で共有する。これが、次の成功に结び付く秘诀です。

例えば、色々な講演で紹介しているのが、スペースXがスターシップの打ち上げを失敗した際のビデオです。それを見ると、失敗したのに、みんな歓声を上げている。なぜ失敗したのかを分析して、次に期待しましょうと。 また、トーマス?エジソンの言葉もいつも紹介していて、「俺は失敗したことがない。1万個うまくいかない方法を見つけただけだ」と。だから失敗ではない。上手くいかないのには上手くいかない理由があるはずで、それを隠していたら駄目です。

大公司が生き残っていくことも重要

──多様な人が集まって、色々な気づきを见つけていくことが大切なのですね。

森川氏:そうなのですが、未来の社会については谁にも分かりません。先日、旧筑地市场跡地の再开発について议论したのですが、私自身はドローンやロボットなどが活跃している未来の姿を思い浮かべていました。ですが、ある公司の方が「2040年になったら、暑いから人は屋外にいられないのではないか」とおっしゃって、たしかにその可能性もあるかもしれないと思いました。

そこも昭和の顷との大きな违いで、もうロードマップを引くこと自体が无意味であることを认识した方がよいと思っています。结局、现状の础滨にしても过去の记録や知识を整理しているだけなので、これからどうなるかを予测することは难しいでしょう。未来のことも技术目线で考えるのではなく、色々なことを考えながら一歩一歩进んでいくことが必要です。そこでは、一人一人が主役だという意识を持ってもらいたいのです。そういう気づきを持つようになることが、デジタルスキルを上げることにつながっていくでしょう。

──今后は公司のあり方も、変わってきそうですね。

森川氏:私が会长を务める情报通信ネットワーク产业协会の昨年の贺词交换会の挨拶で、「変わらないために変わり続けることが大切です」というと、多くの共感が得られました。それを里付けるような记事も、ハーバード?ビジネス?レビューに载っています。それは、1995年のフォーチュン500と2020年のフォーチュン500を比较した记事ですが、実は1995年には存在していなくて2020年にリスト入りしている会社は十数社しかなかったという内容でした。1995年顷はこれから破壊的なイノベーションが起きて、大公司はどんどん溃れていくと言っていたのに、ほとんど生き残っています。

时代が変わるから変わり続けるのだけれど、人は変われ変われと言われると疲弊する。だから、「変わらないために変わり続ける」というと、现场の人にも纳得感があるのです。そういう组织は生き残れる感じがします。一方で、今、政府はやたらとスタートアップに力を入れたいと言っていますが、大公司が长い年月生き残るにはどうすればよいのかも、国として考えるべきではないでしょうか。

──そのためには、私たちも考え方を変えていく必要があるのですね。

森川氏:今から150年くらい前に、电気が発明されました。すると、街にはすぐに电灯が広がっていきましたが、工场はなかなか电化されず、长いこと蒸気机関のままでした。その理由は、人の问题です。それまでは、工场の真ん中に大きな蒸気机関があって、その周りに机械が配置されていたのですが、电気で动く机械を入れると机械が分散配置になるので人の働き方が変わる。だから、工场の労働者が猛反対しました。

结局デジタルもそうで、今までの仕事のやり方を変えたくないので、使いたくないという人がたくさんいます。だから、人を动かすというところも重要です。私は人を动かすことには向いていないのですが、世の中にはそれが得意な人もいるので、そういった人たちに任せることも必要になるでしょう。

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