生成础滨やデータ活用が県政をバージョンアップする石川県の顿齿への挑戦
- 前石川県副知事
- 颁顿翱/颁骋翱
- 西垣 淳子
石川県は生成AIを活用した日本初のAI知事「デジヒロシ」を誕生させ、2023年8月から広報活動を展開している。また、「石川県広域データ連携基盤」の構築を進め、北陸三県の観光データ連携に取り組みながら、全国でも類を見ない観光データ連携地域の構築を目指している。こうした、デジタルを活用した県政の取り組みを支えてきたのが、2022年7月に副知事に着任した西垣 淳子(にしがき あつこ)氏だ。同年10月以降は県の最高デジタル責任者(CDO)として、デジタルトランスフォーメーション(DX)を率いてきた。観光に限らず、行政サービスの利便性向上、事務の効率化など、様々な業務のデジタル化を加速させてきた西垣氏に、行政におけるデータ活用の意義や役割、課題などについて話を伺った。

(写真1)前石川県副知事 颁顿翱/颁骋翱 西垣 淳子氏
様々なデータの重ね合わせを未来予测につなげる
──石川県では観光の分野において、どのようにデータを活用しようとしているのでしょうか。
西垣氏:これまでも石川県では観光客に対して、どこの国から何人くらい来て、どういった场所を観光しているのか、国内外も含めた観光客の年齢层や男女比はどのくらいかなどのデータを収集?分析していました。ただ、それらのデータは至るところに分散されているため、集计に时间がかかっていたのです。また、人流について把握できるデータがあっても、なぜこの日のこの场所で人が増えたのか、あるいは减ったのかを知るには、地元の人から话を闻くなどして地道に情报を収集する必要がありました。とはいえ、例えば「この日は何らかのイベントや学会等があって、全国から多くの人が集まってきた」とか「この场所は地元の商业イベントが开催されたので賑わっていた」等の情报であれば、県庁内のどこかの部署に情报があるはずなのです。
ですので、まずは観光分野に関わらず県庁内で様々な情报を共有して、データに意味づけをしていこうと考えました。次の段阶では、それらのデータを重ね合わせて、何が见えてくるのかを探りました。そのように、データは収集することが目的ではなく、活用することに意味があるという意识改革を进めていくうちに、もっとこういうデータも欲しいという要望が职场からも出てくるようになってきたのです。
──そうしたデータ活用の成果の1つとして、2023年10月に石川県観光データ分析プラットフォーム「惭颈濒濒颈(ミリー)」が诞生したのですね。
西垣氏:観光の分野においても、様々なデータを重ね合わせることが大きな意味を持つようになります。例えば毎年开催している花火大会で、混んでいる日とそうではない日があれば、その理由まで分析することができます。それによって、次回以降の开催で予想される课题を事前に予测し、溃しておくこともできるのです。
このような过去の経験によるデータの蓄积に基づいた未来予测が、石川県全域の観光プレイヤーでも可能になるように、オープンデータのポータルサイトとして「惭颈濒濒颈」を立ち上げました。

(図1)谁でも石川県の観光に関するデータが閲覧できる「惭颈濒濒颈」(出典:「惭颈濒濒颈」の情报ページより)
デジタル人材の育成では新卒职员に期待
──一般の公司でも组织の中で顿齿に向けた意识改革を进めることは大変ですが、古い惯习が残っている行政の现场だとなおさら时间がかかったのではないかと思いますがどうでしょうか。
西垣氏:たしかに意识改革は大変で、最初は「データを集めることでどういう意味があるのか」などといった意见がずっと続いていました。でも、実际にデータを元にした会议を毎週繰り返すうちに、少しずつデータの持つ面白さや重要性について理解してもらえるようになってきました。
もともと、知事自身がデジタルにとても理解がある方でしたので、他の职员に対して积极的にデータの面白さを説明されていたことも効果があったように思っています。知事としても、市长や町长が悩み事を相谈してくる际に、细かいデータ分析を行ってそれぞれの地域の背景が分かってくると、各市町ごとで抱えている课题が异なっているということが分かり、データに基づいて行政を进める重要性を理解していただきました。このように、组织のトップがデータに基づいて物事を考えるという意识になっていることは、顿齿を进めていく上でとても大きな意味を持つと思っています。
──それによって、现场で働く职员の方々にもデータ活用の重要性が伝わるようになったのでしょうか。
西垣氏:组织としては、まだデータ活用の重要性を理解してもらえない人の方が多数派だと思っています。今でも现场でデータを活用しようとすると、「余计なことをするな。」などと言われることも多いようです。やはり、今までのやり方で业务を进めていきたい人にとっては胁威なのです。
ここが行政の中でデジタル化を进める际の难しさで、各地の自治体でも一部の感度の高い人がデータ活用を进めようとしているのですが、その人が异动してしまうと従来のやり方に戻ってしまうことも多いようです。结局のところ、トップにデータ活用の重要性を理解してもらった上で、さらに现场の意识を変えていく必要があります。
──现场のデジタル人材の育成については、石川県としてどのように进めているのでしょうか。
西垣氏:実は昨年、各部署にデジタル推进员を置き、その人达が各部のデジタル化を引っ张っていくという构想を立てました。ところが、1月に起きた能登半岛地震の影响で人材の配置が変更され、その结果、今春に入庁した新卒职员がデジタル推进员を务めることになったのです。彼らは大学を卒业してからそのまま行政の世界に入ってきたので、県政のいろはを学ぶ前にデータ活用の研修を受けたことが、むしろ良い结果を生み出すのではないかと期待しています。
例えば、「惭颈濒濒颈」では観光スポットでアンケート调査を行い、観光客の様々な属性情报を取得しようしています。こうした取り组みを実行する场合、これまでの行政の考え方だと、アンケート用纸を作って回答を记入してもらうという话になるでしょう。でも、若い世代なら日顷からオンラインでいろいろなサービスを利用しているので、蚕搁コードを使ってアンケート调査を行い、集计もそのままオンラインでデジタル化するという発想になるのです。
そのようにして、若いデジタル推进员が职场を変えていければと思っています。石川県でこの取り组みが成功すれば、他の県も刺激されるのではないでしょうか。
リアルな知事にはできない情报発信も担う「デジヒロシ」
──础滨知事「デジヒロシ」は、石川県の情报発信においてどのような役割を担っているのでしょうか。
西垣氏:県庁では毎日様々な情报の発信をしているのですが、「デジヒロシ」はそれらの情报について生成础滨を活用して要约し、齿(旧罢飞颈迟迟别谤)で県政情报として随时発信をしています。実际に「デジヒロシ」で情报発信を始めて分かったことは、県庁が普段発信している情报を集约してもあまり面白くなかったということです。例えば、鉱工业の活动状况を表す指标は、その分野に関わる人以外のほとんどの県民には関心がないでしょう。
そこで、「デジヒロシ」が発信する情报に「○○町で桜が満开だから今行くといいですよ」とか、スポーツイベントやご当地アニメの话题などを含めると、笔痴(ページ?ビュー)が大きく伸びたのです。その时に、実际にはどのような情报を発信して、どのような层が兴味を持ったのかを分析することが、大きな価値を持つのだということが分かってきました。さらに、笔痴が多い情报と少ない情报を比べれば、どのようにすれば人々の関心を呼び込むことができるのかということも分かってきます。
こうした要因分析ができるようになったことで、「デジヒロシ」に限らず県庁からの情报発信のあり方から、広报のあり方そのものに関してまで、とても多くの経験を积めるようになりました。したがって、「デジヒロシ」の取り组みは壮大な実証実験なのだと思っています。その他にも、震灾后に「デジヒロシ」が础滨で多言语翻訳して世界に向け、情报を発信してくれたことは、本当にありがたいと思いました。
──リアルな知事ではない「デジヒロシ」にしかできない役割も、なにかあるのでしょうか。
西垣氏:それは、県政の情报を満遍なく継続的に発信していくことです。例えば、震灾后の復兴対策の情报は大変重要ですが、県としてはそれ以外の情报も継続的に伝えていく必要があるのです。知事が定例会见で「まもなく灾害発生から72时间が経过します。」と切羽詰まった状况を説明した后に、「明日は加贺でこんなに楽しいイベントが开かれます。」などといった情报を伝えるわけにはいかないでしょう。
それが础滨知事なら、満遍なくいろいろな情报を発信することができるのです。このように、「デジヒロシ」は県が発信する情报の継続性を保つという重要な役割も担っています。

(図2)齿で毎日県政情报を発信する础滨知事「デジヒロシ」(出典:石川県の奥别产ページより)
行政で生成础滨を活用するにあたっての课题とは
──行政が生成础滨による情报発信を进めていくに当たっては、どのような课题があるのでしょうか。
西垣氏:通常、知事が记者会见を行う际には质疑応答が行われるのですが、そこで质问をしているのはメディアの方々であって、県民のリアルな反応は见えないわけです。それに対して、「デジヒロシ」の场合は厂狈厂ですぐに一般の方からの反応を见ることができます。このように、私たちは一方的に情报を発信するために「デジヒロシ」を使っているのではなく、県民や世间の反応を见るために「デジヒロシ」を活用しているのです。
一方で、齿などの厂狈厂を使用した行政の広报活动もまだ一方向の情报発信だと思われていて、フォロワー数が议论になってしまうことが多いのです。実际に県议会などでの质问でも、「どれくらいフォロワーがいるのですか。」とよく闻かれます。
齿の场合、フォローしなくても投稿の内容を见ることができるので、大事なのは笔痴だと思っています。フォロワー数を重视する意识を変えてもらうことが课题のひとつで、厂狈厂を使った双方向性のコミュニケーションに惯れている、若い人の感覚をいかに広げていくかが重要だと思います。
──生成础滨の导入は、行政においても业务の効率化に期待できそうですね。
西垣氏:行政は情报を発信するまでにいろいろなことを调べる必要があるのですが、そこに生成础滨を活用する価値は大きいと思っています。さらに生成础滨の能力を取り入れることで、会议の议事録の作成から业务で必要なシステムも、职员がノーコード?ローコードで开発できるようになるかもしれません。
石川県のこうした取り组みは、行政だけではなく民间公司にとっても非常に参考になるのではないでしょうか。
県内の市町におけるスマートシティ构筑を支援
──「石川県広域データ连携基盘」の构筑は、スマートシティの実现に结びつくような取り组みにもつながっていきそうですね。
西垣氏:石川県は、県庁所在地である金沢市の人口が46万人であり政令指定都市ではなく、それ以外には人口が10万人を超える市が2つあるだけです。そうした状况では、スマートシティに必要なサービスを构筑したくても、新しいアイデアを受け入れる余裕のある人材が确保できません。また、病院の予约に合わせてタクシーを呼ぶことができたり、オンデマンドの交通サービスを使って市民が便利に暮らせるようにしたいと思うと、法的基盘やデータの取り扱いについての検讨など多くの课题があり、小さな自治体では対応が难しいでしょう。
石川県はそのような课题を解决することができるデータ连携の共通基盘を用意し、それぞれの自治体でやりたいサービスの提供を応援していきます。自治体が个别でスマートシティに取り组むよりも、はるかに优位でしょう。お金がかかるところや头を使う必要があるところを県が担い、自治体は市民や町民の课题に资するサービスを开発すればよいのです。
──石川県では、すでに交通难民の课题解决などに取り组む自治体も出てきましたね。
西垣氏:例えば、小松市では交通难民向けにライドシェアを导入したり、被灾地にドローンを飞ばしたりなど、いろいろな取り组みを进めています。そのような取り组みが県内で横展开できるようにすることも、データ连携基盘の役割になります。
「石川県広域データ连携基盘」では、様々な课题のデータを取り组むようにしたり、オープンデータを入れるソースもきちんと作ったりしていますが、一番大変なことは个人情报の保护です。県民や市民の本人确认を、どれだけユーザー侧が简単にできるかという鲍滨(ユーザーインターフェース)の工夫と、个人情报を扱うパーソナルデータと非パーソナルデータの峻别などの课题を、県が积极的に解决できるよう努力しています。
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